便箋「ワキ役の隠れ家(1)」

便箋「ワキ役の隠れ家(1)」

◆印刷会社:金沢印刷

文通相手が増え始めると、個人の作ったペーパー以外に、印刷会社のチラシも手紙と一緒に送られてくることが増えました。

手紙の中には、自分で描いた絵や、ペーパー、チラシも一緒に入れ合う事がよくありました。

印刷会社のチラシの配布をお手伝いすると注文時にオマケをつけてくれたりするサービスも当時あったものですから。

ペーパーも「ペーパー配布者募集」みたいな感じで、お互いにお互いの作ったペーパーを何十枚か送りあって、お互いの文通相手に送るというのもありました。

また、自分の好きな絵描きさんのペーパー配布は、相手に自分のを配ってもらわなくても願い出て一方的に手伝う事もあった気がします。

当時は文通でしか作品を広める事ができませんでしたからね(人によっては同人誌即売会もそういう場所でしたが、文無し学生がそう頻繁に出れるような場所ではなかった)


現代だと、Twitterの「RT」が近いかもしれませんね。無料で手軽に絵描きと交流できて、作品も広められる便利な世の中になったと思います。

ただ文通と比べてSNSは拡散できる範囲が広大なので、時が経って自分がふりかえった時に「ナニコレ黒歴史!隠したい!」と思っても隠せなくなっていそうなのがSNSの怖いことろですね。

文通レベルだと拡散といっても限界がありますので、当時、自分の作ったペーパーを現在所持している人など、自分くらいしかいないと思います(安心)


さて、今までは「プリントあっぷる」さん一択だったのですが、原稿用紙プレゼントや便箋包装用の袋をオマケでつけてくれていた「金沢印刷」さんが自分の中で物凄く魅力的になってゆきました。

そして、文通相手と「合同ペーパー」を作る機会が増えました。

これも合同ペーパー&便箋を作った際に作った便箋です。

お互いにB6で描いたペーパー原稿と便箋原稿を作り、送られてきた原稿を、印刷用原稿に貼って完成させます。

相手に注文をお願いする事もあれば、こちらがやることもありました。この合同ペーパー&便箋の良い所は何と言っても「割り勘」できることでした。

お金がない学生時代は、割り勘で作れることが非常に魅力的だったのでジャンルが違くても一緒に作る事は多かったです。